金魚姫の物語 感想
車線堂有紀「本の背骨が最後に残る」光文社 に収録されている「金魚姫の物語」がとてもツボだったので読書感想文です。
ざっくりと、不治の病に掛かってしまった少女と、その少女の生前の姿を写真に残そうとする少年の物語。
つまり「故人の生きた証を残す」テーマの物語とも言えるが、ここに「写真、嘘、人魚姫」というテーマが重なってくる。事実を記録する写真を使い、嘘の物語を現実と称して構成し、少女がまるで人魚姫のように、泡になってこの世から消えられたように表現する、(でも、それは誰もが真実ではないと知っている。当の少年と少女にとってさえも)展示会を実行するまでの、物語。
不治の病
19歳の少女・憂(うい)がかかった不治の病は、その人間の頭上だけに雨を降らす「降涙(こうるい)」という謎の現象。降涙は対象の皮膚や臓器が水を吸ってぐずぐずになろうとも降り続け、やがてその命を奪っても、その後3日間、対象が水死体になるまで雨が降り続ける、謎の奇病。天災とも呼べるその病に10万分の1の確率でかかった患者は、2週間ほどかけて、ゆっくりと、身に水分を蓄えていく。
写真
少年・准(じゅん)はカメラを始めたばかりの17歳の高校生。秋の文化祭の展示に、憂の写真を撮りたいと思い、彼女を見掛けた日からモデルを依頼するが、断られ続ける。憂は、写真は嘘が許されないから嫌いだと話し、准は、嘘の写真も物語があってよいと応える。
写真のモデルの依頼を断り続けていた憂が、「雨が降り始めたからモデルになってあげてもいい」と連絡をするところから、物語は始まる。
人魚姫
准は毎日、雨に降られた憂の写真を撮る。水にさらされ、日に日に皮膚も内臓も弱っていく憂。
憂はかつて都会で暮らしていた。舞台である海沿いの町に来た理由を、人魚姫が好きだから、と話す。人魚姫は泡になって消えられるから良い、と。死体が残らないから怖いと話す准に、死体が残らないから怖くないのだと答える。
人魚姫の皮膚はきっと人間ではない、人間であれば水を吸ってふやけていってしまう、と話す。日を重ねるごとに、淡々と、人間は水の中では生きられない、という現実が、ただ描写される。
金魚
准は写真の展示について、決断をする。それは周囲に止められる。憂からも、顧問の教師からも。しかし実行をする。展示は、酷評を得る。感想ノートに不満の言葉が溢れる。
1ヶ月間降涙患者を撮影したと表題をつけた展示は、7日目までは憂を撮影したものだったが、8日目からは、水面と、ただ、金魚を撮影したものになっていた。
こんなものは現実と向き合っていない。他の患者に失礼だ。正しい指摘が並ぶ。
だが准は、その言葉を受け入れずノートを破る。
「僕らの展示は僕らのものだ。結末について文句を言われる筋合いはない。」
どうにも私は「万人受けする物語ではなくても、自分がこの物語を書きたいから書いた。この結末にしたいからこの結末にした」という作者の熱意を感じ取れる作品が好きで、それを作中作として主人公が展示で「嘘の、こうであってほしかった夢」を描いてくれていたのが本当に好きだった。例えそれが現実ではなかったとしても、自分はこうであってほしかった。だから、そう描いた。私がそれを好きな理由は、そのスタンスは二次創作に似ているから、かもしれない。たったひとつの最大手である現実から目を逸らし続けるために、「こうあってほしかった」という偽物を、偽物だとわかっていても、縋るような気持ちで、再生産し続ける。
結末も不条理な現実も、受け入れられなかったら、自分の世界でだけ、書き換えられればいい。それが他者に受け入れられなかったとしても、自分の世界では、それを正解にしても、許されていたい。どうしようもなく、他人と共有できない、世界と交流できない、ただのエゴだ。でも、私はそれを、他者とは軽々しく共有できない各々の世界観を、否定されたら簡単には立ち直れない程度には繊細な世界を、あまりにも美しいと思う。
物語の結末で、果たして、憂はいなくなる。人間は水の中で生きられない。人間は金魚にはなれない。国の用意した療養施設に向かうと告げた憂の、その足跡は堤防の端で途切れていた。「死体が残らないから怖くないよ」と、告げるように。
悲しい物語なので人に勧める物語ではないのですが。これ以外の収録作でもじゃんじゃか人が死ぬし。これが一番やさしい物語なんじゃないかな、と思えるくらいの。
あまりにも好きだなあ…と思えたので感想を言語化してみました。
機会があったら読んでみてくださいませ。
春!
年々変な気候になっていきますね。春ですね。
ちらほらと桜が咲きかけながらも、まだ満開には時間がかかりそうな頃合い。
この春で、いまの職場に新卒で入社して10年目を迎えます。スッゲエね。
入社したときに小学校に入学した、初代上司のお子さんは、私の母校に入学し高校2年生になるそうです。時の流れが速いのか、私が流されてきたのか。
不規則勤務になって7年目、これもまたよく続いているもんだなと思います。
不規則勤務になってから始めた同人活動、これもコロナ禍やひとりぐらしで中断するかと思いきや別の沼に落ち継続しております。そっかー。
ポンデリングうめえ。
最近は原稿進めながら逆転裁判をちまちま履修しています。
DSかと思ったらGBAで2001年のゲームだった。
それが時を経て2016年にアニメ化してるんだからすごいよなあ。
ツギハギ工場のふしぎなコ
すみっコぐらし映画見てきました!!!
ネタバレ配慮なしなので逃げよう逃げよう!!
GWにざっそうに再熱してからざっそうへの想いが強かったので推し補給をして参りました。
すみっコぐらし映画、1作目は見て、2作目は見ていないので久し振り。
落とし物を追い掛けてすみっコたちが辿り着いたのは、森の奥のさびれた工場。間違えてスイッチを起動させると、「くま工場長」があらわれた。工場内の落とし物を組み合わせて簡易な工作をするすみっコたちに「おもちゃ作るのすき?」と問い、「好き!たのしい!」と答えてもらい、大喜びの工場長。
翌日、すみっコたちの家に、工場長が車でやってきました。
「君たちは器用だから一緒におもちゃを作ろう!」
できないよ、できないよと慌てるすみっコたちに、ひとりひとり長所を言い当てて車で工場に連れていく工場長…わぁ…強制労働…。
強 制 労 働
パンフレットに「すみっコ×労働のテーマが合うか心配でした」と書かれていて、ほんとにな!そうだな!!!!!と思いました。
強制労働の果てになにが起きるのか!?
過労って大変だね!?
労働現場と現場を知らない指導者がすれ違うとき工場では何が起こっているのか!?
あと工場ってほんとに単調な作業の繰り返しで大変なんだな!?
そう思いながらも。
「周囲に期待された、与えられた役割に固執しなくてもいい」という、世惑い子的テーマも描かれつつ。
新しいものだけではなく、過去の大切なものをツギハギツギハギして自分だけの大切なものにする愛のかたちも表現しつつ。
ざっそうがいろんなお口してて可愛かったです。
とんかつとえびふらいのしっぽの相思相愛っぷりを感じました。
君たちはどう生きるか
見てきました!感想!自己解釈!
世惑い子を感じました。
物語の中にメッセージはなくて、見た人が勝手に好きなように解釈しておくれ…それが私は嬉しい…という作品というか。
強いて言うなら血の繋がった先祖が監督自身というか。
自分が築き上げてきた世界を、歪んでしまった世界を、自分の血の繋がる相手に託したい。これからの物語を描き続けて欲しい。でもその願いは、哀れにも自分の創造した世界の登場人物により強制的に壊されてしまいます。選択肢のないまま現実に送還される主人公たち。お互いが現実を生きる決断をする。僕たちはこう生きることにした。という話。に感じました。
異世界が壊れるということはぎゅらみもあるのかもしれない。異世界が存続していたら世界の創造主になれたかもしれないのに、それは壊されてしまった。
ジブリ作品映画館で観たの初めてだった。やはりさすがの映像技術。
セリフが少なくて設定や効果から観客に「伝わるといいな~」という程度の描写。でも登場人物の心情がなんとな~く伝わってくるんだから不思議だなあ。
米津さんの主題歌が良かった。泣けてきてしまう。
わらわらが可愛かったです。ありがとうございます。ありがとうございます。
原作小説を忠実に再現…とは感じなかったので、原作小説も読んでみなければなあと思いました。
自分が好き勝手に作った物語を好き勝手に解釈して貰えるのは嬉しいことで、読んだ人の中でその世界の続きが展開してもらえたり物語作りの参考にして貰えるのは本当に嬉しい。というのを、やった作品なのかなー。と。思うなどしました。共感はいらない。教訓もいらない。ただ、なにかを考えてくれたら、とても嬉しい。
友人が言っていたのは「アオサギ、ペリカン、インコに意味はあるのか?外来種か?」で、確かに謎なのでそのへん理由あるなら知りたいなあと思ったり。
ナツコさんが主人公を嫌ったのは本心なのか嘘なのか、本心であるとしたら主人公は母親が入院するきっかけを作ってしまった等憎まれる理由があるのか?
面白かったです。
いちがつ
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
1年振り返りしていないぜ!
年末年始は非常に楽しかったです!!!!!
・12/28
冬コミ前々日にフォロワーさんに構っていただきました!!!
創作観教えていただいたり作品を褒めていただいたりとても楽しかったです。アリガタヤアリガタヤ…
吉祥寺散策してチョコミント食べてポップンサンズさんも見せて貰っておしゃべりさせていただいた。お話の引き出し多い人はすごい。
モナーク好きな人が実在していると思うと嬉しいしありがたいであるしなによりたくさんおしゃべりしてくださって楽しかったです。私もちゃんと原作の理解を深めねば。
「アートブックに期待ですよ!」
「アートブックに期待し過ぎちゃ行けませんよ」
「そうなんですか!?!?!?!?!?」
という会話を5回ほどしました。アートブックたのしみだなあ(忠告が響いていない顔)
・12/29
冬コミ前日にFJさんと豊洲散策しましたが人出と値段でアーーーーーとなってました!れっつリベンジ!
・12/30
冬コミでした!誰も来なかった!(ばーーーーーん)いやキャラちゃんの客引きでアンテの方はちらほら来て下さってそれはめちゃくちゃ嬉しくて救いでしたがモナークのオフ活動は実力や知名度のある人間でないとやはり難しいね…むむむ…と現実を知りながらも、今回の目的は信哉くんサクカでモナークで参加することだったのでOKですではありました…!
ただその分、本当にジャンルを知っている人しか見る機会のない中で、自分の二次創作に出会って作品を好きと言ってくれる人がいるのは本当に貴重でありがたいことなんだなあ…と再確認しました。少しでもナンカチガウなったら遠慮なく離れていってくださればとは思いますが、見て下さりありがとうございます。しんやくんください。
フォロワーさんにお手伝いをお願いしたのでおしゃべりしながら楽しく参加できました!会場内を大変迷子になられていてフォローが足りずすまんかったの気持ち。
・1/6~1/8
フォロワーさんが愛知に遊びに来て下さったyeahhhhhhhhhhということで周辺ご案内していました。
ワクチン接種割引で安く泊まれたので、お高いお宿を利用したのですが、夜景の見える高層階でして。夜は外に明かりが漏れてしまうからカーテンは開けないという先入観があったのでカーテン開けたことがなかったのですが、開けてみたらこちらの影が反射してろくに外が見えないような状態だったのですが。「電気消してカーテン開けてみていいですか?」と実践してみたら真っ暗の中に夜景が窓から見えるようになりまして。3人並んでぼけーっとカヌレやフィナンシェ(買った)を食べながら夜景を眺めて、あれは何のビルかなとぼんやり、ぼんやり過ごし…ああこれがエモ…と思いました。こういう描写してみたいけど何に使えるかわからないね。