Clockway

項の日記です。

あじあん

中国人のアルバイトちゃんとのお話。

「失礼ですが彼氏さんはいますか」
「あはー、いません」
「ではお見合いですか」
「お見合い結婚ですか。予定はありません」
「親は心配しないのですか」
「うん、心配してないねえ…」
「中国では、大学卒業したらみんな結婚するので、大学4年の時点で恋人がいない人は、みんな、親がお見合いさせてます」
「まじかw女の子も男の子も?」
「女の子は特に親が心配します。みんな、一人っ子なので」
「そうかー。さすが中国。中国に生まれなくてよかったわ。プレッシャー半端ないわ。バイトちゃんも、大学卒業したら、いまの彼氏くんと結婚するの?」
「彼氏の就職が決まったら考えます」
「へえー」
日本の大学生が、3〜4年生時に就活ヒイハアするように、中国の大学生は、3〜4年生時に婚活ヒイハアするそうです。

へえ、ってことは平均初婚年齢は日本よりもだいぶ低いのかな?って思って調べてみたら、そうでもないみたいですね。

【中国の若者 婚活、結婚、そして離婚】
http://www.kanda-zatsugaku.com/110729/0729.html

>2 婚活
>2−1 婚期
>(1)晩婚化が顕著に、平均は男32歳、女29.6歳
法律上の結婚可能年齢は、男性22歳、女性20歳(08年時点)。しかし、生活や仕事など様々な原因から、晩婚の傾向がごく一般的になりつつあります。
中国では初婚の場合、男性25歳、女性23歳からが晩婚とされています。08年、上海市民の平均結婚年齢は男性が32歳、女性が29.6歳となっています。

へえ。
日本と中国では、そもそも結婚可能年齢が違うのね。
バイトちゃんに、「大学卒業したら結婚するって早いね。じゃあ、高校卒業して早々に結婚する子たちとかもいるの?」と聞いたら、何を言ってるんだこの人はという顔をされたのは、このためか。高校卒業時点では女子も男子も結婚できないものね。
そう考えると日本の結婚可能年齢をもう少し引き上げてもいいんじゃないかなーとちょっと思った。

【夫婦の法律教室】
http://www3.ocn.ne.jp/~mhc/couplaw.htm

うん。
日本の結婚可能年齢は男18歳、女16歳。
でも実際にこの年齢で結婚するカップルってなかなかいないよなあ。
そりゃ、中学の知り合いで数人いるけど、全体の割合で見て、1%くらいじゃない?
調べてみよう。

厚生労働省 人口動態統計年報 主要統計表(最新データ、年次推移)】
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/suii10/
統計表 婚姻 第3表より(平成22年のデータ)
※初婚に限る
男性(〜19歳) 484,406件中5,354件=1.105271…%
女性(〜19歳) 497,638件中11,435件=2.297855…%

男性は全体の1%、女性は全体の2%が未成年で結婚してるのね。
日本国民の1億人で、単純計算で考えると、5000万組のカップルがいて、その中の1.5%が未成年結婚カップルだから、

5000,000×0.015=750,000

おお、75万カップルが未成年婚。

だから何だよ。
すみません、最初に語りたかったことと主軸がずれました。
つまりは、近いお国でも文化違うよね、社会から結婚年齢のプレッシャーかけられるのはつらいよねって言いたかっただけです。

昨日ちょっと落ち込むことがあったので、深夜、ニコニコでネタ歌い手さんの、ふに(妹)さんの動画マイリストを見て回っていたのですが、そのなかで気になる曲がひとつありまして。

これです。

【東京レトロ 歌ってみた】
http://www.nicovideo.jp/watch/sm18964361

ふにさんの動画は替え歌が基本なので、原曲を知らない動画は見ていてもよくわからないから、知らない曲の動画は今までスルーしていたんです。
せっかくだから聴いてみました。そんで、あとで原曲聴こう、と。

その原曲がこちら。

【【GUMI】九龍レトロ【オリジナル曲】】
http://www.nicovideo.jp/watch/sm18821036

ハマりました(・▽・)
なにこの化け物感!好き!化け物人間感好き!京極堂感!憑き物落とし!しかもこのコンクリートダンジョンは実在していたというじゃないですか!スラム!バラック
最初こそ怖々聞いていたのですが、韻の良さとかっこいい曲調にノックアウトされましたーわーい。
ちょうど昨日、FF7について思いを馳せていたところだったので、FF7にもスラム街がいくつか存在するため、ふおおリアルファンタジーだああああと悶えていました。

これで歌っている「九龍」とは、中国の地名です。
かつて、「九龍城」という、スラム街が存在していました。
法律が行き届いていなかったため、犯罪が跋扈していた〜と歌詞では高らかに歌っていますが、しかし実際は、法律が行き届いていないがために、老人ホームや保育所を集落民で協力して工面したり、多くの人が暮らしていたりと、暖かい地域社会が確かに存在していた面もあるかと思われます。いやはや〜ロマンっすねえ。
でも、医療法も食品衛生法も行き届いてなかったから、闇医者とか衛生法無視の飲食店とか存在してたみたいだから、それはとてもイヤ。
ネットにアップロードされていた写真を何枚か見て、すげえなあとため息をこぼしました。衛生的によろしくないことが間違いないので、暮らしたくも行きたくもないけど、ロマンを感じます。栗です。

でもって、今日、授業で、韓国のワーキングプア世帯について学びました。
「チョクパン」という韓国語があります。
「チョク」は小さいという意味、「パン」は家という意味。
チョクパンとは、小さい家という意味です。
そこで暮らしている、14歳から不登校になってしまった18歳の娘と、工場勤務の際に機械巻き込まれ事故で右手の感覚を失い、非正規労働をしているお父さん。娘が小学5年生の時に母親が蒸発して以来、2人暮らし。
せいぜい2,3畳くらいの部屋じゃないかなあ。そこに2人で暮らしていた。風呂もトイレもアパートの共用のもので、部屋にはついていない。服も、年頃の女の子なのに、長袖3着と半袖2着、ズボン3本しか持っていない。1日中、家の中でごろごろしている。コンプレックスの塊の女の子。
見ていて、つらかった。
精神面もそうだけど、生活面。あの空間で毎日を過ごすこと。家の広さだけが幸せじゃないっていうのはわかってる。清潔さだけが生きていくうえで必要なものなわけじゃないっていうのはわかってる。でも、ふつうの成育環境に生まれていれば、そんなふうに苦しむ必要なんてなかったんだよなあ、って。見ていて、思って。自分も、生まれた時代と場所が違っていたら、こういう生き方をしていたのかもしれないと思うと、苦しくて。

よく、さ、「あなたの死にたかった1日は誰かの生きたかった1日」って詩があるじゃない。
それに反抗して、「私はもう生きる気力がないから、病気で苦しんでいる子と寿命を交換してあげたい」って言う詩もあるじゃん。
私も中二病期にそういうこと考えるタチだったからさ。こういう苦しんでいる子たちを見ていると、本当に、つらいんだよね。
でも中二病脱しちゃったからさ、じゃああんたこの生活送りなさいよと言われても、耐えられないし嫌だと言うだろうね、私。

なんだろうね。
「九龍城」の実在を知って、画像を検索したとき、ものすごくショックを受けた。
ファンタジーとしか思えない世界が、実は、実在したものだった。すごいよ。ロマンを感じるよ。
でも、ファンタジーはファンタジーであってほしかった。なあ。
貧困世帯が避けられようのない事実として存在することは分かっている。というか、誰でも気を抜けばいつ落ちるかもしれない世界だと分かっている。でも、ね。みんな幸せに、苦しむ人のいない世界が、現実であってほしいと、思ってしまうのだよね。
本当はそっちの方がありえないしファンタジーなのにね。