Clockway

項の日記です。

屍者の帝国

伊藤計劃先生作品映画第一弾見てきましたよー!
めっちゃ映像綺麗だったのでもう一回見に行きたい…! 行けたら…!

先にらくがきんちょ。
後にネタバレにならない程度の語り。
過去ブログあたりにネタバレ含めて語れたらイイナ。


魂廚ワトソンさん


ヒロイン(?)に昇格してたフライデーさん
ていこくぐらし!はニコニコで見れる冒頭本編映像へのコメントより
※こちら→ http://www.nicovideo.jp/watch/sm27281498

さてさて語るんば。
屍者の帝国は、伊藤計劃さんが遺されたプロローグとざっくりとしたプロットをもとに、円城塔先生が仕上げられた作品です。

ざっくばらんなあらすじ
時は1878年、ワトソンはロンドン大学医学生。死んだ人間を労働者として再生産する世界で、ひょんなことからフランケンシュタイン博士の発明した人造人間を地の果てまで追い掛けるゲームに参加することになりました。

円城塔先生の文章、私、めちゃくちゃ好きです。一見誰もが知っている当然の事実をゼロから再定義し直して、そこから見つかる矛盾に気付かせるような文章とか。ややこしくて面白いです。
しかし、ややこしくて面白いため、円城塔先生作品は小説として・物語として理解するのが非常に難しい(私見)です。ひとつの文章で満足してしまい、1ページも読めばお腹いっぱいになるので、円城塔先生作品は読み上がるのまでに時間がかかる…!(私見
そのため、円城塔先生はとても好きなのですが、物語としての「屍者の帝国」は、読み終わった段階ではあまり理解できていない状態でした。

それに加えて設定の改変がある。
フライデーさんがワトソン先生の親友!? てかフライデー若い! 青年 #とは! ワトソン先生ショタだったの!? やたら映画予告版でタマシイタマシイ21グラム言ってるけど、そんな描写あったっけ!?
等々、鑑賞前情報から得た感情すべては非常に不安でした。
同行が原作未読の友人を引っ張ってしまったのもあり、面白くなかったらどうしようとても申し訳ない…。と。

確かに設定の改変は間違いなくあり、主人公の目的も別のものに変わっていた。
それは2時間に収めるために、映画として見せ場を作るために必要なものでした。
設定改変の結果、主人公がフライデーさん大好きすぎてタマシイ追い求めすぎて、若干引いた。
それでもそれらを差し置いても、面白く、綺麗な作品でした。
期待をあまりしていなかっただけに、物語がうまくまとめられていて驚いたし嬉しかった。

映画としてはもしかしたらあまり得意なものではないかもしれない。えぐい表現が数か所あり、フライデーさんはヒロインだし、死なないはずのキャラが死ぬ。
鑑賞後は「原作とちがう!」の突っ込みどころをたくさん探して見つけた。
それでもこれは伊藤計劃先生の意思を引き継いだものであり、違う部分はあって然り。これは誰かが描いた物語のひとつの結末である。
正しい回答は、本当の原作は、物語の続きは、原作者である伊藤計劃先生がいない今誰にも証明することができない。
映画の中でタマシイや21グラムのほかに「ペン」「文字」「約束」「物語」「言葉」がキーワードとして出てきます。ひとつの解釈としては、きっと、これは本としての「屍者の帝国」そのもの。
詳しくはパンフレットの監督インタビュー等にて暗に語られています。

すでに他の方の書かれた考察を読んでいるので、誰かの考察を無意識に引用している部分もあるかもしれない…!
屍者の帝国、面白いので、興味を持たれた方は是非に。

次はだぜ。ミァハの声が素敵すぎる。

ところで屍者の帝国のおかげで勉強がまったくはかどらない。今日はniconicoでの初日舞台あいさつとか見て癒された。もう一回観ることとか考察することとからくがきすることとかで頭がいっぱいいっぱいなんだぜ。

追記
屍者の帝国を観た後にマイナンバー制度について語るとなんか楽しいのでオススメ。
「12桁の数字で表される個体番号」
「管理される人類」
「持ち主がいなくなった数字は再利用されるのだろうか」
「12桁の数字では1兆-1の数字を表すことが可能。1億人が100年で総入れ替えされるとしても1万回使い回せる」実際には企業や法人にも番号振られるようなのでもっと少ないかもしれないが。
あなたもわたしもだれもかも記号化してしまうんだよ〜〜〜。ふふふ楽しい。